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救いの手

 下らない話、します。

 中学の時でした。ど〜しても、ど〜しても許せない教師が
いました。毎日下校時、その教師の車を見て
でっかい石をフロントガラスにぶつけるのはどうか?とか
バックミラーくらい、もぎ取ってやろうか?とか、
10円でボディにキズを付けてやろうか?等と
良からぬ事を考えながら、辺りを見回していました。
 でも、きっとそんな時こそ、どこからか見ている人がいて
後で、私のやった事とバレ、学校に母親が呼び出され
結果、その許せない教師に母が謝る羽目になるんだ....と、思うと
それだけは、絶対嫌で、出来ませんでした。

 そして、閃きました!
卒業してしまえば、良いのでは?と。
 もう生徒でも教師でもない、と。

 卒業式を待ちました。
当日、式が終わったら「ぶっ飛ばそう!」と心に決め
登校しました。最後の登校です。

 卒業式の間、その教師をぶっ飛ばす事だけを
ひたすら考え、式が統べて終わると、私は探しました。
「あいつはどこだ?」と。

 その時でした。
いつも優しく、親切だったクラスメートが
私の前に現れ「卒業するのは嬉しいけど....」私と離れるのが辛いと
言って、号泣し始めたのです。本当に大泣きでした。
 感動しました。
私も泣けて来ました。2人で抱き合って泣きました。
 その後、その頃好きだった男の子が来て
「写真を撮ろう...すっごい泣き顔だけど思い出に」と言ってくれました。

 私とそのコは2人並んで、酷い泣き顔で写真に納まりました。

 憎い教師をぶっ飛ばす事を、完全に忘れてしまっていたのです。
家に帰って来て、突然思い出しました。
「あ〜、あいつぶっ飛ばすんだった....」
 庭先に腰掛けながら、ちょっと気が抜けました。

 犯罪者にならずに済んだのかも知れません。
友人のお蔭です。
 そんな風に、気付かないところで、助けたり
助けられたりしている事って、ありますね。
 きっと....。

 今見ても、その時の写真はすっごい不細工で恥ずかしいです
でも、教訓があるのです。
 大切なモノを見失わないようにと。

 下らない、思い出話に付き合って下さった方
ありがとうございます。m(_ _)m
by mischka | 2008-07-25 21:32 | ヒトリゴト